逃げ道

我々、生活能力が低いにも関わらず普通の人として振る舞うことを強いられている族には、突然のつらみに備えて対策を練ることが大切だ。

一人で知らない土地に住んでいるとワーッとつらくなってくることがあるので、つらくなったときのガイドラインを作り始めた。

項目は「甘いものを食べる」とか「かわいい女の子の写真を見る」とか。やばい人かよ。

おれの場合だいたいイライラしたり、泣きたくなったりしているときはおなか空いてるか睡眠不足のときなので、さっさと家帰ってジャンクフードをもりもり食べて眠ってしまうとケロッと治ってしまうことが多い。ちっちゃい子かよ。

 

それでも逃げ道は多いほうがいい。

おれはあんまり友達とかいないけど、愚痴を聞いてもらうのが一番手っ取り早い。人の悪口は最高だ。盛り上がるし。

でも悪口を言うときは、その悪く言われる人のことを全然知らなくて今後も絶対会わないような遠い人に聞いてもらうのがいいと思う。聞いてる人にとってはフィクションの悪役の話をされているみたいだ。うんうん、って聞いてあげられる。おれだけか。あと、ちょっと話を盛ってもばれない。「自分は何もしないくせに雑務ばかり押し付けてきてうざい、7本の首が生えていて女子供をさらい村を焼き尽くすクソ上司」とか言ってやればいい。めちゃめちゃ同情してくれるだろう。

知ってる人の悪口を聞くと、先入観を持ってしまうし良くない。それでもおれもついつい言っちゃうんだけど。その場の盛り上がりを優先してしまんだけど。

最近のおれは会社の人の悪口を会社の人に聞かされて、渦中の悪口言われてる人から悪口言ってる人の悪口を聞かされる生活。お前ら仲良くしろよ!みんながああいう風にはなるなって言って、おれはどんな風になればいのか。おれは星野源安田顕ムロツヨシになりたいと思っている。